予実管理とは、あらかじめ立てた予算(計画)と実績を比較し、差異の原因を分析して次の行動に活かす一連のプロセスのことです。飲食店の予実管理は、売上・原価・人件費・利益の4つの数字を「予算はいくらか、実績はどうだったか、なぜ […]
飲食店のどんぶり勘定から脱却する方法|数字管理はじめの一歩
2026/10/14
どんぶり勘定とは、売上や経費の数字を細かく把握せず、感覚でお金を出し入れしている経営状態のことです。飲食店がどんぶり勘定から脱却する入り口は、「売上・原価・人件費」の3つの数字だけを見ることです。すべての経営指標を勉強する必要はなく、まず3つに絞って毎日見る習慣を作れば、数字管理は誰でも始められます。
毎日の仕込みと営業に追われていると、数字の管理はどうしても後回しになります。「儲かったかどうかは、月末の通帳残高でなんとなくわかる」という状態のまま、何年も営業を続けているお店は少なくありません。しかし数字を見ないままでは、赤字の原因に気づくのが遅れてしまいます。
この記事の要約
- あなたの店がどんぶり勘定かどうかわかる、7項目のセルフチェック
- 脱却の入り口が「売上・原価・人件費」の3つの数字だけでいい理由
- 数字管理が続く店に変わる3つの習慣と、どんぶり勘定に戻らない仕組みづくり
自店の数字をラクに見える化したい方には、da Vinciの資料ダウンロード(無料)もご用意しています。
この記事は、飲食店経営の現場を知り尽くした経営者が開発した日次PLツール「da Vinci」の編集部が、数字が苦手なオーナー様の相談に向き合ってきた現場経験をもとに執筆しています。読み終える頃には、明日から見るべき数字と、その続け方がはっきりしているはずです。
飲食店のどんぶり勘定とは?|あなたの店の症状チェック

どんぶり勘定とは
どんぶり勘定とは、売上や経費の数字を細かく把握せず、大まかなお金の出し入れだけで経営している状態のことです。昔の職人が腹掛けの物入れ(どんぶり)から無造作にお金を出し入れしていたことが語源とされています。
飲食店にあてはめると、「レジにお金はあるし、通帳の残高も減っていないから大丈夫だろう」という感覚頼りの経営が、まさにどんぶり勘定です。飲食店は毎日現金が入ってくる業態です。日銭があるぶん「回っている感覚」になりやすく、数字を見ないまま何年も営業を続けられてしまいます。ここに、飲食店ならではの怖さがあります。
あなたの店は大丈夫?どんぶり勘定チェックリスト7項目
まずは、ご自身のお店の現在地を確認してみましょう。次の7項目のうち、あてはまるものを数えてみてください。
| No. | チェック項目 |
|---|---|
| 1 | 先月の売上を、だいたいの金額でしか答えられない |
| 2 | 自分の店の原価率を計算したことがない |
| 3 | 儲かったかどうかは、月末の通帳残高で判断している |
| 4 | 忙しかった月なのに、お金が残らない理由を説明できない |
| 5 | 人件費が売上に対して多いのか少ないのか、わからない |
| 6 | メニューの値付けは「相場がこれくらいだから」で決めている |
| 7 | 税理士から届く試算表を、ほとんど見ずにしまっている |
3つ以上あてはまるなら、どんぶり勘定に足を踏み入れているサインです。5つ以上なら、赤字が出ていても気づけない状態かもしれません。
ただし、落ち込む必要はありません。このチェックで現在地に気づけたこと自体が、脱却の第一歩だからです。
どんぶり勘定を放置する3つのリスク
どんぶり勘定のまま営業を続けると、次の3つのリスクが少しずつ大きくなっていきます。
- 赤字に気づくのが遅れる
数字を見ていないと、儲かっていない事実がわかるのは月末や決算のタイミングです。気づいたときには資金繰りが苦しくなっているケースが多いです。 - 打ち手が的外れになる
原因がわからないまま「とりあえず値上げ」「とりあえず広告」と動いても、成果にはつながりにくくなります。原価が問題なのか、人件費が問題なのかで、打つ手はまったく変わるからです。 - お金を借りる・店を増やすときに困る
融資や出店の場面では、自店の数字を説明できることが前提になります。数字を語れない状態は、チャンスが来たときの足かせになります。
なぜどんぶり勘定から抜け出せないのか|3つの心理障壁

「数字を見たほうがいいのはわかっている」というオーナー様は、実は多数派です。わかっていても抜け出せないのは、意志が弱いからではありません。多くの場合、次の3つの障壁のどれかに引っかかっています。
障壁①営業で手一杯で、数字を見る時間がない
仕込み、営業、片付け、発注。飲食店の1日は、閉店後にはもう体力が残っていない構造になっています。「数字は落ち着いたらやろう」と思ったまま、繁忙期と閑散期が一周してしまうのは自然なことです。
これは時間の問題というより、順番の問題です。「営業が終わってから数字」ではなく、営業の中に数字を組み込む発想が必要になります。具体的な方法は、後半の「3つの習慣」で解説します。
障壁②数字や計算に苦手意識がある
「学生時代から数学は苦手」「決算書を見ても頭に入ってこない」という声もよく聞かれます。ただ、店の数字管理に必要なのは、決算書を読み解く力ではありません。足し算・引き算・割り算ができれば十分です。
苦手意識の正体は、計算そのものではなく「どの数字を見ればいいかわからない」ことにある場合がほとんどです。見る数字さえ決まってしまえば、あとは同じ計算を繰り返すだけになります。
障壁③何から見ればいいかわからない
いざ勉強を始めると、原価率、人件費率、損益分岐点、客単価と、経営指標は次々に出てきます。全部を理解してから始めようとすると、入り口で力尽きてしまいます。
結論から言えば、最初からすべての指標を見る必要はありません。次の章で説明するとおり、入り口は3つの数字だけで十分です。
脱却の入り口は「3つの数字」だけ|売上・原価・人件費

なぜ最初は3つでいいのか
どんぶり勘定から脱却する入り口は、売上・原価・人件費の3つの数字を把握することです。理由はシンプルで、飲食店のお金の大半はこの3つで動いているからです。売上からお金が入り、原価と人件費という2大コストでお金が出ていく。この出入りが見えるだけで、店の損益の骨格はつかめます。
家賃や水道光熱費などの固定費も大切ですが、毎月ほぼ一定なので、最初は「だいたいいくら」の把握で構いません。毎日変動し、かつ自分の采配で変えられるのが売上・原価・人件費の3つです。だからこそ、この3つから見始めるのが最も効率的です。
完璧な管理を目指して挫折するより、3つだけでも毎月続くほうが、店は確実に変わっていきます。
3つの数字それぞれの「見る目的」
3つの数字は、それぞれ役割が違います。何のために見るのかだけ、先に押さえておきましょう。
| 数字 | 見る目的 |
|---|---|
| 売上 | 店の勢いを知る。前月・前年と比べて上向きか下向きかをつかむ |
| 原価 | 商品でちゃんと利益が出る構造かを知る。仕入と廃棄の管理につなげる |
| 人件費 | 営業の忙しさとシフトが釣り合っているかを知る |
それぞれの計算方法や目安の数値、3つの先にある指標の広げ方は、経営指標の記事で順を追って解説しています。この記事で覚えて帰っていただきたいのは、「最初は3つでいい」ということだけです。
数字が続く店に変わる3つの習慣

3つの数字を見ると決めても、続かなければどんぶり勘定に逆戻りです。ここでは、数字管理が続いている店に共通する3つの習慣を紹介します。
習慣①毎日同じ時間に数字を見る
続いている店は、数字を見るタイミングを固定しています。締め作業のあと、レジを閉めたら売上をメモする。朝の仕込み前に、昨日の数字を1分見る。タイミングはいつでも構いませんが、「毎日同じ時間」であることが重要です。
人は「時間ができたらやること」を、ほぼやりません。歯磨きのように営業の流れに組み込んでしまえば、意志の力に頼らずに続けられます。1回にかける時間は、1〜3分で十分です。
習慣②スタッフと数字を共有する
数字をオーナーの頭の中だけに置かず、スタッフと共有している店は、数字管理が続きやすくなります。「今日の売上は目標まであと2万円」と共有されれば、スタッフからもう一品の声かけが生まれます。廃棄の量を共有すれば、仕込み量への意識が変わります。
共有には、続けるための効果もあります。スタッフに見せると決めた瞬間、数字の記録は「自分の作業」から「店の約束」に変わるからです。ひとりでやめるのは簡単でも、みんなで見ている数字は簡単には止まりません。
習慣③完璧を目指さない
数字管理が途切れる最大の原因は、最初から完璧を目指すことです。1円単位で合わせようとしたり、記録が2日空いたことで嫌になってやめてしまったりするパターンです。
最初はざっくりで構いません。売上は千円単位、原価は仕入伝票の合計だけ、人件費はシフト表からの概算で十分です。2日空いたら、3日目から再開すれば問題ありません。どんぶり勘定への逆戻りとは、ざっくりでも見続けることをやめてしまった状態を指します。精度はあとから上げられますが、習慣は途切れると戻すのが大変です。
どんぶり勘定に戻らない仕組みづくり

「意志」ではなく「仕組み」で続ける
3つの習慣を紹介しましたが、正直なところ、意志の力だけで続けるには限界があります。繁忙期に一度途切れ、そのままどんぶり勘定に戻ってしまうのは、飲食店で本当によくあるパターンです。
戻らない店に共通するのは、記録と集計を「仕組み」に任せていることです。売上はレジから自動で拾う、人件費はシフトから自動で集計する、というように、手で書き写す工程を減らすほど、数字管理は途切れにくくなります。
その仕組みの代表が、毎日の売上・原価・人件費から日々の損益を出す「日次PL」という方法です。日次PLの具体的な作り方は、こちらの記事で解説しています。
数字が見える店は何が変わるのか
da Vinciの開発チームも、店舗運営の現場で「どんぶり勘定だった時期」を経験しています。当時は月末に試算表を見て初めて結果を知る状態で、忙しかった月ほど「これだけ働いたのだから残っているはず」という感覚と、実際の数字のずれに悩まされていたといいます。数字を毎日見る運用に変えて最初に起きた変化は、利益が増えることではなく、「原因がわかるようになったこと」でした。お金が残らない月の理由を、感覚ではなく数字で説明できるようになったことが、打ち手の出発点になったそうです。
実際にda Vinciを導入した複数店舗展開の飲食企業でも、同じ変化が起きています。以前は店舗ごとの損益を月末の集計でしか把握できていませんでしたが、日々の数字を全員で見る運用に変えたことで、「なんとなく忙しい店」と「利益が出ている店」の区別がつくようになりました。数字が共通言語になったことで現場の廃棄や仕込みへの意識も変わり、結果として原価率の平均7%削減につながっています。
どんぶり勘定からの脱却は、我慢や根性で数字と向き合い続けることではありません。数字が自然と目に入る仕組みを作り、見た数字で会話する文化を育てることです。そこまで進めば、どんぶり勘定に戻ることはほとんどなくなります。
数字管理に慣れてきたら、次のステップは予算を立てて実績と突き合わせる「予実管理」です。予実管理の全体像は、こちらの記事で解説しています。
飲食店のどんぶり勘定脱却に関するよくある質問

数字が本当に苦手でも脱却できますか?
十分に可能です。店の数字管理に必要なのは足し算・引き算・割り算だけで、簿記や会計の知識は必須ではありません。苦手意識の多くは「どの数字を見ればいいかわからない」ことが原因なので、まず売上・原価・人件費の3つに絞ることから始めてみてください。ツールに集計を任せれば、計算自体をなくす方法もあります。
何から手をつければいいですか?
今日の営業終了後に、売上をメモすることから始めてください。最初の1週間は売上だけで構いません。慣れてきたら仕入伝票の合計(原価)、シフトからの概算人件費と、見る数字を増やしていきます。毎日同じタイミングで見ることが定着のコツです。詳しい指標の広げ方は経営指標の記事で解説しています。
個人経営の小さな店でも数字管理は必要ですか?
規模にかかわらず必要です。むしろ資金の余裕が小さい個人店ほど、赤字に早く気づける効果は大きくなります。複雑な管理は不要で、この記事の3つの数字と3つの習慣だけでも、月末の「思ったより残っていない」は大きく減らせます。
da Vinciの費用はいくらですか?
機能ごとに月額5,980円から利用できます(2026年8月時点・税別)。原価管理・売上管理・勤怠管理は月額5,980円、予実管理は月額6,980円で、必要な管理機能から始められる料金体系です。どの機能から始めるべきかは店の課題によって変わるため、お気軽にご相談ください。
まとめ|どんぶり勘定脱却は「3つの数字」と「習慣」から

どんぶり勘定とは、数字を把握しないまま感覚で経営している状態のことです。本記事の要点を整理します。
- チェックリスト7項目で3つ以上あてはまるなら、脱却に動き出すタイミング
- 抜け出せない原因は意志の弱さではなく、時間・苦手意識・入り口のわからなさという3つの障壁
- 脱却の入り口は売上・原価・人件費の3つの数字だけ。全指標の勉強は不要
- 続ける秘訣は、毎日同じ時間・スタッフと共有・完璧を目指さないの3つの習慣
- 戻らないためには、記録と集計を仕組みに任せることが近道
まずは今日の閉店後、売上を1行メモするところから始めてみてください。その1行が、どんぶり勘定から抜け出す最初の一歩になります。
飲食店の数字管理は「da Vinci」で一元化しよう

どんぶり勘定からの脱却は、始めることよりも続けることのほうが大変です。手書きやExcelでの記録は、繁忙期に途切れやすいのが現実です。この「続ける」部分を仕組みで支えるのが、飲食店専用のツール導入です。
「da Vinci(ダ・ヴィンチ)」は、飲食店経営の現場を知り尽くした経営者が開発した、飲食店特化のクラウド経営支援ツールです。以下のような機能・特長で、オーナー様・店長様の負担を大幅に軽減します。
- 日次PLの自動作成
売上・原価・人件費が毎日自動で集計され、その日の損益がわかります。数字を「見に行く」のではなく「目に入る」状態を作れます。 - POSレジ連携で売上・客数を自動集計
手入力や書き写しの工程がないため、繁忙期でも記録が途切れません。 - 数字を共通言語にした店舗運営
スタッフから経営者まで同じ数字を共有でき、現場の意識と改善スピードが変わります。 - ITの知識不要・継続サポート
ネット検索ができる程度のスキルで使え、導入後も担当サポートが継続して伴走します。数字が苦手な方でも安心です。
「どんぶり勘定を今度こそ卒業したい」「数字で店を語れるようになりたい」そんな方は、ぜひ飲食店特化の日次PLツール「da Vinci」をご検討ください。
この記事を書いたライター
ダヴィンチ編集部
「データ入力」から「日次PL」、そして「経営の打ち手」まで、ワンストロークで。
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